解雇制限

使用者は、産前産後の女性が第65条の規定によって休業(産前産後休業)する期間及びその後30日間は、解雇してはいけません。

また、妊娠中や産後1年以内の女性が解雇された場合は、その解雇が妊娠、出産等を理由としていない解雇であることを事業主は証明しなくてはなりません。証明できなければ、その解雇は無効となります。

婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等

事業主は、女性が婚姻し、妊娠し、または出産したことを退職理由として予定する定めをしてはならないとされています。また、女性が婚姻し、妊娠し、出産しまたは労働基準法の規定による産前産後休業したことを理由として、解雇してはならないとも定められています。しかし、残念ながらこの規定に違反しても罰則はありません。

また、解雇以外の不利益取り扱いについても禁じられています。たとえば、労契約の更新をしない、退職勧奨、正社員からパートへの身分変更、降格、減給などがこれに該当します。

退職勧奨、身分変更などは承諾せざるを得ない状況に追い込み、必ずしも女性の真意に基づくものでない場合は、「強要」と判断され男女雇用機会均等法に抵触するときがありますから、署名・捺印したとしてもあきらめないでください。

厚生労働省が定める妊娠、出産に関する不利益取扱いの禁止事項

  • 妊娠したこと
  • 出産したこと
  • 労働基準法第12条もしくは13条1項の規定による措置(妊娠中および出産後の母性健康管理措置)を求め、または措置を受けたこと
  • 労働基準法第64条の2,1号(坑内業務の就業制限)、64条の3,1項(危険有害業務の就業制限)の規定により業務に就くことができず、もしくは就かなかったこと、または、64条の2,1号(坑内業務に従事しない旨の申出)もしくは女性労働基準規則第2条2項(就業制限業務)の規定による申出をし、もしくは同項の規定による休業をしたこと
  • 労働基準法第65条1項(産前休業)の規定による休業を請求し、もしくは同項の規定による休業をしたこと、または同条2項(産後休業)の規定により就業できず、もしくは同項の規定による休業をしたこと
  • 労働基準法第65条3項(軽易な業務への転換)の規定による請求をし、または同項の規定により他の軽易な業務に転換したこと
  • 労働基準法第66条1項(変形労働時間制の適用事業場において法定労働時間を超えて労働しない請求)の規定による請求をし、もしくは同項の規定により1週間について同法32条1項の労働時間もしくは1日について同条2項の労働時間を超えて労働しなかったこと、同法66条2項(時間外、休日に労働しないことの請求)の規定による請求をし、もしくは同項の規定により時間外労働をせずもしくは休日に労働しなかったこと又は同法66条3項(深夜業をしないことの請求)の規定による請求をし、もしくは同項の規定により深夜業をしなかったこと
  • 労働基準法第67条1項(育児時間)の規定による請求をし、または同条2項の規定による育児時間を取得したこと
  • 妊娠または出産に起因する症状により労務の提供ができないこと、もしくはできなかったこと、または労働能率が低下したこと

紛争が生じた場合の救済措置

もし、紛争が生じたときは次の手順でその解決を図ります。

  1. 苦情処理機関に苦情を申し出て、自主的解決を図る
  2. 都道府県労働局長が紛争に関し、当事者の一方または双方から解決の援助を求められたら、必要な助言、指導または勧告を行う
  3. 都道府県労働局長が紛争に関し、当事者の一方または双方から調停の申請があった場合、紛争調停委員会に調停を行わせる

1.の苦情処理機関を設置していない会社の場合、総務あるいは人事担当者へ申し出てください。申出の際、書面で具体的に状況を説明したものを添えて話をすればよいでしょう。

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