育児休業の変更等
育児休業は長期の休業となりますので、全面的に労働者の意向が反映されるわけではありません。会社の都合もありますから、育児休業開始予定日の指定や開始予定日および終了予定日の変更、休業の申出の撤回など一定の制約があります。
事業主の育児休業開始予定日指定
労働者が申し出た育児休業開始予定日が、休業申出日の翌日から1ヶ月(1歳から1歳6ヶ月の休業をする場合は2週間)を経過する日前である場合、事業主は原則として、労働者の申し出た開始予定日から申出日の翌日から1ヶ月を経過する日までの間に育児休業開始予定日を指定することができます。
したがって、育児休業の申出は、いらぬ摩擦を避けるためにも休業開始予定日の1ヶ月前には行うことをお勧めします。
育児休業開始予定日および終了予定日の変更
育児休業開始予定日の前日までに、一定の事情が生じた場合には、事業主に申し出て開始予定日を1回だけ繰り上げることができます。変更の申出には、次のものを事業主に提出する必要があります。
- 変更申出の年月日
- 変更申出をする労働者の氏名
- 変更後の育児休業開始予定日
- 変更申出をすることとなった事由に係る事実(子の出生の年月日、配偶者の死亡の年月日等を含みます)
育児休業終了予定日の変更については、事由を問わず当初の育児休業終了予定日の1ヶ月前(1歳から1歳6ヶ月の休業においては2週間前)までに、事業主へ申し出ることにより1回だけ終了予定日を後ろに変更することができます。
育児休業の撤回
育児休業を申し出た労働者は、育児休業開始予定日の前日までに休業の撤回をすることができます。育児休業の撤回をした場合、特別の事情がある場合を除いて再度育児休業を申し出ることはできませんから、注意してください。
「特別の事情」とは次の通りです。
- 配偶者の死亡
- 配偶者が負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、育児休業申出にかかる子を養育することが困難な状態になったこと
- 婚姻の解消その他の事情により配偶者が育児休業申出にかかる子と同居しないこととなったこと