労働基準法、女性労働基準規則
労働基準法、女性労働基準規則では、妊娠中、産前産後をサポートする法律として、就業制限、解雇制限、産前産後休業が規定されています。
労働基準法
- 解雇制限
- 第19条 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、使用者が、第81条の規定によつて打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合においては、この限りでない。
- 2 前項但書後段の場合においては、その事由について行政官庁の認定を受けなければならない。
- 年次有給休暇
- 第39条7 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第1号 に規定する育児休業又は同条第2号 に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業した期間は、第1項及び第2項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。
- 労働時間等に関する規定の適用除外
- 第41条 この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
- 1.別表第1第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者
- 2.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
- 3.監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
- 危険有害業務の就業制限
- 第64条の3 使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)を、重量物を取り扱う業務、有害ガスを発散する場所における業務その他妊産婦の妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせてはならない。
- 2 前項の規定は、同項に規定する業務のうち女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務につき、厚生労働省令で、妊産婦以外の女性に関して、準用することができる。
- 3 前2項に規定する業務の範囲及びこれらの規定によりこれらの業務に就かせてはならない者の範囲は、厚生労働省令で定める。
- 産前産後
- 第65条 使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあつては、14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
- 2 使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることは、差し支えない。
- 3 使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。
- 第66条 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第32条の2第1項、第32条の4第1項及び第32条の5第1項の規定にかかわらず、1週間について第32条第1項の労働時間、1日について同条第2項の労働時間を超えて労働させてはならない。
- 2 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、第33条第1項及び第3項並びに第36条第1項の規定にかかわらず、時間外労働をさせてはならず、又は休日に労働させてはならない。
- 3 使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。
- 育児時間
- 第67条 生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
- 2 使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。
女性労働基準規則
(危険有害業務の就業制限の範囲等)
第2条 法第64条の3第1項の規定により妊娠中の女性を就かせてはならない業務は、次のとおりとする。
- 1.次の表の上欄に掲げる年齢の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる重量以上の重量物を取り扱う業務
年齢 | 重量(kg) | |
---|---|---|
断続作業の場合 | 継続作業の場合 | |
16歳未満 | 12 | 8 |
16歳以上18歳未満 | 25 | 15 |
18歳以上 | 30 | 20 |
- 2.ボイラーの取り扱い業務
- 3.ボイラーの溶接業務
- 4.つり上げ荷重が五トン以上のクレーン若しくはデリック又は制限荷重が五トン以上の揚貨装置の運転の業務
- 5.運転中の原動機又は原動機から中間軸までの動力伝導装置の掃除、給油、検査、修理又はベルトの掛換えの業務
- 6.クレーン、デリック又は揚貨装置の玉掛けの業務
- 7.動力により駆動される土木建築用機械又は船舶荷扱用機械の運転の業務
- 8.直径が25cm以上の丸のこ盤
- 9.操車場の構内における軌道車両の入換え、連結又は解放の業務
- 10.蒸気又は圧縮空気により駆動されるプレス機械又は鍛造機械を用いて行う金属加工の業務
- 11.動力により駆動されるプレス機械、シヤー等を用いて行う厚さが8mm以上の鋼板加工の業務
- 12.岩石又は鉱物の破砕機又は粉砕機に材料を送給する業務
- 13.土砂が崩壊するおそれのある場所又は深さが5m以上の地穴における業務
- 14.高さが5m以上の場所で、墜落により労働者が危害を受けるおそれのあるところにおける業務
- 15.足場の組立て、解体又は変更の業務
- 16.胸高直径が35cm以上の立木の伐採の業務
- 17.機械集材装置、運材索道等を用いて行う木材の搬出の業務
- 18.鉛、水銀、クロム、砒ひ素、黄りん、弗ふつ素、塩素、シアン化水素、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
- 19.多量の高熱物体を取り扱う業務
- 20.著しく暑熱な場所における業務
- 21.多量の低温物体を取り扱う業務
- 22.著しく寒冷な場所における業務
- 23.異常気圧下における業務
- 24.さく岩機、鋲びよう打機等身体に著しい振動を与える機械器具を用いて行う業務
2 法第64条の3第1項の規定により産後1年を経過しない女性を就かせてはならない業務は、前項第1号から第12号まで及び第15号から第24号までに掲げる業務とする。ただし、同項第2号から第12号まで、第15号から第17号まで及び第19号から第23号までに掲げる業務については、産後1年を経過しない女性が当該業務に従事しない旨を使用者に申し出た場合に限る。
第3条 法第64条の3第2項の規定により同条第1項の規定を準用する者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性以外の女性とし、これらの者を就かせてはならない業務は、前条第1項第1号及び第18号に掲げる業務とする。